
在留資格「技能」とは?
在留資格「技能」は、入管法で「産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動」と規定されています。日本国内において「熟練した技能」を必要とする産業分野で外国人が就労するための在留資格です。
したがって、対象となる職種は一般的な単純作業ではなく、専門的かつ熟練した技能を有する者に限られます。
ここでは、在留資格「技能」について詳しく説明します。
主な対象職種
入管法でいう「産業上特殊な分野」というのは以下の3つです。
- 外国に特有な産業分野
- 日本の水準よりも外国の技能レベルが高い産業分野
- 日本で従事する技能者が少数しかいない産業分野
具体的には、以下のように規定されています。
上陸基準省令 | 職種 | 詳細内容 |
---|---|---|
1号 | 外国料理の調理師 | 中国料理、フランス料理、インド料理などの調理師やパン職人やデザートのパティシエなどが該当 |
2号 | 外国特有の建築様式の技術者 | ゴシック、ロマネスク、バロック方式や中国式、韓国式など、日本にはない建築、土木に関する技能をもつ建築技術者 |
3号 | 外国特有の製品の製造や修理の職人 | ヨーロッパ特有のガラス製品、ペルシャ絨毯など、日本にない製品の技能士やシューフィッターなど |
4号 | 宝石、貴金属、毛皮を加工する職人 | 原石から宝石、動物から毛皮を作る工程を含む |
5号 | 動物の調教師 | |
6号 | 石油・地熱等の掘削調査をする技術者 | |
7号 | 航空機のパイロット | 期運送用操縦士、事業用操縦士または準定期運送用操縦士のいずれかの技能証明をもち、機長または副操縦士として業務に従事する者 |
8号 | スポーツの指導者 | スポーツ選手として国際的な競技会に出場したことがある者で、当該スポーツの指導業務に従事する者 |
9号 | ワインのソムリエ | 国際的な競技会において優秀な成績を収めたことがある者など |
主な取得要件
1.上陸許可基準に定める対象職種に該当すること
業務内容が上陸基準1~9号に定める業務であることが必要です。したがって、特別な技能、判断等を必要としないば単純労働などはが主要業務である場合には不許可となります。
2.対象職種に定められる実務経験基準を満たしていること
実務経験は上陸基準毎に以下のように定められています。
上陸基準 | 職種 | 実務経験基準 |
---|---|---|
1号 | 外国料理の調理師 | 10年以上(教育機関での教育を受けた期間を含む) |
2号 | 外国特有の建築様式の技術者 | 10年以上(教育機関での教育を受けた期間を含む) |
3号 | 外国特有の製品の製造や修理の職人 | 10年以上(教育機関での教育を受けた期間を含む) |
4号 | 宝石、貴金属、毛皮を加工する職人 | 10年以上(教育機関での教育を受けた期間を含む) |
5号 | 動物の調教師 | 10年以上(教育機関での教育を受けた期間を含む) |
6号 | 石油・地熱等の掘削調査をする技術者 | 10年以上(教育機関での教育を受けた期間を含む) |
7号 | 航空機のパイロット | 250時間以上の飛行経歴 |
8号 | スポーツの指導者 | 3年以上 |
9号 | ワインのソムリエ | 5年以上 |
3.雇用先が日本国内にあり、待遇(報酬)が日本人と同等以上であること
給与水準、具体的には基本給が同じ業務を行う日本人従業員と同等以上であることが求められます。
申請に必要な主な書類
- 在留資格認定証明書交付申請書
- 雇用契約書または雇用条件通知書
- 技能に関する証明書類(職歴証明書、資格証明書など)
- 雇用先企業の会社概要資料
- その他職種ごとに必要とされる補足資料
※必要書類は職種ごとに異なる書類なります。詳細な書類はサポート時にお客様の状況をヒアリングした上で「必要書類チェックリスト」をお渡しします。
申請から取得までの流れ
- ご相談・対象職種の確認
- 初回相談は無料です。この段階で対象職種を確認させて頂きます。
- 必要書類の準備
- 必要書類チェックリストに記載されている書類を収集します
- 在留資格認定証明書(COE)交付申請
- 出入国在留管理局に申請をします。
- 在留資格認定証明書(COE)交付申請
- 出入国在留管理局に申請をします。
- 日本入国
- 在留資格「技能」による就労を開始
よくある質問(FAQ)
【Q1】外国料理の調理師ビザは、専門学校卒業で年数が短縮されますか?
A1 . 外国の教育機関(料理学校、職業訓練学校、専門学校、大学 など)で該当業務に関連する教育を受けた期間は、経験年数に含めることができます。したがって、フランスの料理学校(3年コース卒業)卒業後、現地レストランで7年勤務すれば要件を満たします。
【Q2】スポーツ指導者は3年以上の選手歴でも申請できますか?
A2.可能です。「スポーツの選手又は指導者として3年以上の経験」が要件とされています。選手経験のみでも対象になりますが、その場合はその競技種目における選手活動の実態証明が必要になります(所属チーム証明、成績証明、競技歴証明など)。
【Q3】料理のジャンルは問われますか?
A3.「外国料理」であり、日本国内において一般的に普及していない料理ジャンルであることが必要です。
したがって、和食は対象外です。具体的には、フランス料理、中華料理、ベトナム料理、インド料理、タイ料理などが典型的対象ジャンルです。
【Q4】過去に複数の会社で経験を積んでいても合算できますか?
A4.合算可能です。ただし、それぞれの勤務先での職歴証明書をきちんと取得し、経験年数が通算10年(または要件年数)に達していることを証明する必要があります。