
近年、日本では少子高齢化が急速に進んでおり、介護を必要とする高齢者の数が年々増え続けています。
一方で介護人材は慢性的に不足しており、外国人介護人材の受け入れが重要な役割を担うようになっています。このように日本国内で必要性が増してきた外国人介護人材に付与される在留資格が「介護」です。在留資格「介護」は、日本の介護福祉士養成施設を卒業し、介護福祉士の国家資格を取得した外国人の方が、日本国内で介護業務に従事するための在留資格です。今後ますます進む高齢社会において、外国人介護人材は日本の介護現場に欠かせない存在となっています。このページでは在留資格「介護」について詳しく説明します。
在留資格「介護」とは?
対象となる活動内容
介護福祉士資格に基づき、日本の介護施設等で介護業務を行います。具体的には、食事・入浴・排せつなどの身体介護、掃除・洗濯・買い物等の生活支援、介護計画の作成補助、介護記録の作成、チームケアの連携、レクリエーション支援、利用者や家族とのコミュニケーションなど多岐にわたります。単なる事務や送迎のみの業務は対象外で、専門性が求められます。
主な就労先
・特別養護老人ホーム
・介護老人保健施設
・有料老人ホーム
・訪問介護事業所 など
在留期間
5年、3年、1年、または3か月(更新可)
取得のための主な要件
【1】資格要件(国家資格)
介護福祉士国家試験に合格し、厚生労働省(社会福祉振興・試験センター)への登録申請、審査を経て登録されると介護福祉士登録証が交付されます。このビザ申請にはこの介護福祉士登録証が必要となります。つまり、合格だけで登録が完了していない状態では介護ビザの申請はできません。
※以前は「介護福祉士養成施設を卒業していること」という学歴の要件がありましたが、2020年からは学歴要件はなくなりました。
【2】雇用要件
日本国内の適法な介護事業所との雇用契約があることが必要です。雇用の条件は、
- フルタイムでの雇用契約(原則)
- 雇用条件は日本人と同等以上の水準でなければならない(賃金・労働時間など)
が必要となります。したがって、 アルバイトやパートタイムは対象外です。また、内定段階では申請できず、雇用契約が結ばれている必要があります。
【3】活動内容要件
従事する業務が「介護福祉士の資格に基づく介護業務」であることが求められます。したがって、単なる事務職や送迎専門業務など介護資格に基づかない業務は対象外です。
必要な書類(例)
・パスポート、在留カード
・介護福祉士登録証
・卒業証明書
・就職先の雇用契約書
・写真(証明写真)
・会社の案内資料
詳細な書類は、サポート時にお客様の状況をヒアリングした上で「必要書類チェックリスト」をお渡しします。
申請の流れ
- 介護福祉士の登録
- 介護福祉士国家試験に合格後、厚生労働省に介護福祉士登録をします。
- 就職先との雇用契約締結
- 就職先と雇用契約を締結します。
- 出入国在留管理局への申請
- 在留資格認定証明書(COE)交付申請又は在留資格変更許可申請を行います。
- ビザ取得
- ビザの取得により、「介護」の仕事をスタートすることができます。
よくある質問
Q1. 日本の介護学校を卒業したばかりですが、ビザの申請はできますか?
はい、介護福祉士登録が終わっていれば申請できます。
Q2. 家族を日本に呼ぶことはできますか?
はい、条件を満たせば配偶者や子供を「家族滞在ビザ」で日本に呼ぶことができます。
Q3. 「特定技能」介護と何が違いますか?
「介護」のビザは、国家資格(介護福祉士)を持つ方が取るビザです。一方で「特定技能」はまだ資格がない方も働けますが、在留期間や永住のチャンスなどが違います。また、特定技能では家族を日本に呼ぶことはできません。