日本人の配偶者等の写真

在留資格「日本人の配偶者等」は、日本人と外国人が国際結婚をした場合、外国人が配偶者である日本人と日本国内で同居するために付与される在留資格です。一般的には「結婚ビザ」や「配偶者ビザ」のように呼ばれるものです。ここで注意が必要なのは、本国と日本で正式に結婚をしたからといって必ず「日本人の配偶者等」の在留資格が付与されるというわけではないことです。また、日本人の特別養子又は日本人の子として出生した者もこの在留資格の対象です。このページでは「日本人の配偶者等」の在留資格について詳しく説明します。

日本人の配偶者等の在留資格を取得する対象

1.日本人と日本で同居する配偶者

日本人と国際結婚をした外国人である妻又は夫が日本で同居する場合に付与される場合です。配偶者は、現に婚姻関係中の者です。したがって、相手方配偶者が死亡した者又は離婚した者は含まれません。また、婚姻は法的に有効な婚姻が求められるため、内縁関係は含まれません。日本民法では同性婚を認めていないため、外国人と日本人による同性婚が本国で認められていても、「日本人の配偶者等」の在留資格は認められません。

2.日本人の子供として出生した者

外国籍の子供であって出生時に父又は母のいずれか一方が日本国籍を有していた場合などが該当します。また、本人の出生前に父が死亡しており、その父が死亡時に日本国籍を有していた場合も該当します。

3.日本人の特別養子

普通養子は含まれません。

※特別養子縁組とは、生みの親との法的な親子関係を解消し、実の子と同じ親子関係を結ぶ制度。養子となるものは子供の年齢は原則15歳未満。15歳未満が対象であるため、養親の扶養能力も重要となります。

4.他の国に帰化して日本国籍を喪失した元日本人

日本国籍を保有していた者が日本国籍を離脱した場合に、この者が引き続き日本に在留する場合にも「日本人の配偶者等」の在留資格が付与されます。この場合に在留資格の申請は、在留資格取得許可申請になります。【>>在留資格取得許可】

日本人の配偶者等で認められる活動

「日本人の配偶者等」の在留資格では就労の制限はありません。そのため、どのような職業に就くことも可能で、資格外活動のような就労時間の制限もありません。また、会社の経営をすることも可能です。就労面において、「日本人の配偶者等」は非常に自由度の高い在留資格であると言えます。

「日本人の配偶者等」の在留期間

在留期間は、5年、3年、1年、6ヶ月の4種類があります。配偶者の場合、最初の内は認められる在留期間は短く、更新の度に在留期間は長くなることが多いです。

申請時の提出書類

「日本人の配偶者等ビザ」申請に必要な書類は、【日本人の配偶者の場合】と【日本人の実子、日本人の特別養子の場合】で異なります。

日本人の配偶者の場合

(1)在留資格認定証明書交付申請書 1通

(2)写真(縦4cm×縦3cm) 1枚・・・申請前6ヶ月以内、無帽・無背景

(3)日本人配偶者の戸籍謄本 

※申請人との婚姻事実の記載があるもの。婚姻事実の記載がない場合には、戸籍謄本に加え婚姻届出受理証明書の提出が必要です。

(4)申請人の国籍国(外国)の機関から発行された結婚証明書

(5)配偶者(日本人)の住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書

※1年間の総所得および納税状況が記載されたもの。

(6)日本人配偶者による身元保証書

(7)日本人配偶者の世帯全員の記載のある住民票の写し 1通
※発行日から3ヶ月以内のもの

(8)入国管理局所定の質問書  1通

(9)スナップ写真(夫婦が写っているもの。アプリ加工写真は不可)

スナップ写真の他にも手紙、メール、通話記録等を提出し、婚姻の実体を証明することも有効です。

(10)返信用切手(404円)を貼付した返信用封筒

日本人の実子、日本人の特別養子の場合

(1)在留資格認定証明書交付申請書  1通

(2)写真(縦4cm×縦3cm)  1枚 ・・・申請前6ヶ月以内、無帽・無背景

(3)申請人の親の戸籍謄本または除籍謄本(発行から3ヶ月以内) 1通

(4)日本で出生した場合は次のいずれかの文書  

 ① 出生届受理証明書
 ② 認知届受理証明書(日本の役所に届出をしている場合)

(5)海外で出生した場合は次のいずれかの文書  

 ① 出生国(外国)の機関から発行された出生証明書
 ② 出生国(外国)の機関から発行された申請人の認知に係る証明書(ある方のみ)

(6)特別養子の場合は、次のいずれかの文書
 ① 特別養子縁組届受理証明書
 ② 日本の家庭裁判所発行の養子縁組に係る審判書謄本および確定証明書

(7)扶養者(日本人)の住民税の課税(または非課税)証明書および納税証明書 各1通

※1年間の総所得および納税状況が記載されたもの。

(8)身元保証書  1通
※日本に居住する日本人(子の親又は養親)等が身元保証人になります。
※身元保証人が父母でない場合には、身元保証人の職業及び収入に関する証明書が必要。

(9)返信用切手(404円)を貼付した返信用封筒

「日本人の配偶者等」の審査のポイント

日本の在留資格の中でも「日本人の配偶者等」は自由度の高い在留資格です。就労制限がなく、どのような職業にも就くことができます。そのため、出稼ぎをしたい外国人にとっては非常に魅力的な在留資格です。また、配偶者ビザを保有していると永住権取得までの期間が短くなるという利点もあります。【>>永住権の取得要件(日本人の配偶者等)】

このように利点が多い配偶者ビザの取得を目的とした偽装結婚は後を絶ちません。特にアジア系の方との結婚の場合には、「日本人の配偶者等」の申請の過半数が偽装結婚の疑いがあると言われており、審査が非常に厳しくなっています。

出入国在留管理庁が配偶者ビザの審査の際に重要視するポイントは、

  • 婚姻の信憑性
  • 婚姻の安定性
  • 婚姻の継続性

の3つであると言われています。特に、偽装結婚を水際で防ぐため、「婚姻の信憑性」は重要視されています。審査において「婚姻の信憑性」を立証する材料として以下の資料を添付することが有効です。

  • 夫婦や家族で写っているスナップ写真
  • LINE、メールの通信履歴や電話の通話履歴
  • 自宅の外観、内観の写真
  • 交際の経緯を詳細に記載した申請理由書

偽装結婚が疑われやすい事例

夫婦間の年齢差が大きい場合

過去の偽装結婚の事例で夫婦間の年齢差が大きい場合が多いため、夫婦間の年齢差が大きい場合は審査が厳しくなる傾向があります。特に、15歳以上離れているとなると審査が不利になります。

離婚歴が複数ある

離婚歴が多い場合は、婚姻関係の信憑性を疑われます。離婚を2回以上していると審査が厳しくなり、回数を重ねると更にきびしくなります。

夫婦が別居している

婚姻の要件として「同居」が挙げられていますが、出入国在留管理庁における婚姻の実体判断においても同居は重要視されます。

夫婦間のコミュニケーションに問題がある

普段のコミュニケーション手段として、夫婦どちらかの言語での会話が認められない場合には偽装結婚が疑われます。例えば、翻訳アプリ等でのコミュニケーションを取っている場合は偽装結婚を疑われます。

交際歴の短い結婚の場合

偽装結婚である場合、当然交際期間は必要ありません。そのため、申請時点で交際期間が短い場合には偽装結婚が疑われます。

偽装結婚の罰則

虚偽の内容の申請をし、不正に在留資格を得て日本に上陸又は滞在し続けた場合、3年以下の懲役若しくは禁固若しくは300万円以下の罰金に処し、又はその懲役若しくは禁固若しくは罰金を併科されます。つまり、偽装結婚によりこれらの罰則のリスクがあります。

また、在留資格不正取得により在留資格が取り消されると退去強制事由にも該当します。退去強制となると日本に5年間再入国ができなくなります。

まとめ

日本で安定した在留資格を目的として、「日本人の配偶者等」の在留資格を狙った偽装結婚が多発した背景から、「日本人の配偶者等」の審査は非常に厳しくなっています。偽装結婚ではなくても上記のような疑われやすい事例に当てはまってしまう場合には許可が下りにくくなっています。しかし、日本で夫婦が一緒に住むためには在留資格の取得は不可欠です。

そこで、より確実に安心して在留資格を取得するために専門知識を有する行政書士に申請を依頼することをお薦めします。

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