
在留資格「興行」【2号】は、例えばプロスポーツ選手やコーチ、ダンサー、サーカス出演者などが日本で報酬を得て活動する際に必要な在留資格です。つまり、競技やパフォーマンスを通じて観衆に感動を届ける専門職を対象としており、契約内容や報酬額が審査の重要なポイントとなります。このページでは在留資格「興行」【2号】について、詳しく説明します。
対象となる活動例
プロスポーツや舞台芸術など、報酬を得て行う専門的な興行活動が対象となります。
活動区分 | 主な具体例 | 活動の特徴 |
---|---|---|
プロスポーツ選手 | 野球、サッカー、バスケットボール、 ラグビー、格闘技など | Jリーグ・プロ野球・総合格闘技団体等とのプロ契約 |
コーチ・指導者 | チーム専属コーチ、パーソナルトレーナー | プロ選手を指導・サポートする役割 |
マネージャー等 | チームマネージャー、通訳、用具管理スタッフなど | チーム運営・競技支援に関与する裏方スタッフ |
サーカス出演者 | サーカス団の曲芸師、演出スタッフなど | 国際的なサーカス団の所属者 |
プロダンサー | 公演型のダンスパフォーマー | 舞台・興行型で観衆を対象としたダンス |
在留資格「興行」【2号】の要件
基準省令2号
申請人が演劇等の興行に係る活動以外の興行に係る活動に従事しようとする場合は、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けて従事すること。
対象活動が「演劇等以外の興行」であること
プロスポーツ選手やダンスパフォーマーなどの出演者に加えて、コーチやトレーナー、チームマネージャーなど、興行活動に直接関与するスタッフも在留資格「興行」【2号】の対象となる場合があります。つまり、実演者に限らず、興行の現場を支える専門的な役割も一定の条件を満たせば認められるということです。
報酬が「日本人と同等額以上」であること
申請時には、雇用契約書や報酬見積書を提出し、日本人と同等額以上の報酬が支払われることを明示する必要があります。なお、「同等額以上」とは、同業種に従事する日本人が通常受け取る報酬と比べて妥当な水準であることを意味し、時給・月給・歩合制など契約形態を問わず、報酬額の妥当性が重要な審査要素となります。そのため、たとえ活動実績があっても、極端に低額な契約や無報酬、アマチュアとしての活動は在留資格「興行」【2号】の対象外となります。
その他の審査ポイント
審査項目 | 概要 |
---|---|
活動内容の実態 | 興行団体、スポーツチーム等との契約書、スケジュール等で確認 |
受入機関の信頼性 | 団体の登記・過去の招聘実績など |
申請人の適格性 | プロとしての実績(経歴書・成績証明・所属歴等)※練習生は対象外 |
在留予定期間 | 活動内容に応じて、3か月~3年が付与 |
資格外活動の制限 | 他の業務やアルバイト不可(契約に基づく活動のみ可) |
在留資格「興行」 【2号】の必要書類
【申請人本人関連書類】
書類名 | 内容 |
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在留資格認定証明書交付申請書 | 入管指定様式 |
証明写真 | 縦4cm×横3cm |
パスポートコピー | 顔写真ページ、ビザページ等 |
活動内容説明書 | どのような競技・公演に従事するかを具体的に記載(競技種目・場所・期間など) |
雇用契約書または出演契約書 | 契約期間・報酬額・業務内容を明記したもの。署名済みであることが望ましい。 |
経歴資料(実績証明) | 出演歴・戦績・職歴など、プロフェッショナルとしての活動を証明できる書類 |
興行日程・スケジュール | 興行・試合・パフォーマンスの予定を記載した資料 |
【招へい機関関連書類】
書類名 | 内容 |
---|---|
登記事項証明書 | 発行3か月以内 |
会社案内・定款 | 任意様式(パンフレットやWeb出力等でも可) |
決算書(損益計算書・貸借対照表) | 最新年度分(税務申告済のもの) |
従業員名簿 | 在籍年数や人数により基準適合の有無を確認 |
請負契約書の写し | 招へい機関が興行を請け負っているとき |
【興行施設関連書類】
書類名 | 内容 |
---|---|
営業許可書の写し | 興行施設が許可制の場合に提出 |
登記事項証明書 | 発行3か月以内 |
興行施設に関する資料 | 興行実施会場の名称、所在地、施設概要、写真、平面図など |
従業員名簿 | 常勤スタッフ・管理責任者など |
決算書(損益計算書・貸借対照表) | 最新年度分(税務申告済のもの) |
興行契約書の写し | 契約主体が異なる場合は請負・使用承諾書 |
在留期間
最大3年まで認定可能。通常は6か月・1年・3年のうちいずれか。
初回は6か月~1年、実績豊富な場合は延長し3年取得も可。
関連ページ
よくあるご質問(FAQ)
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プロ選手契約前の練習生でも申請できますか?
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いいえ。2号はプロ契約ベースの活動が必要で、練習生のみでは対象外です 。
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ダンサーやトレーナーも対象になりますか?
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はい。パフォーマンスや競技に直接従事する専門職(選手・指導者・舞台スタッフ等)であれば対象となる可能性があります。ただし、職種によっては詳細な説明資料が必要です。
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興行の主催者と招聘機関が異なる場合はどうすればよいですか?
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このような場合は、契約関係や興行実施体制が明確になるように、請負契約書や使用承諾書、興行内容説明書などの補足資料を併せて提出することが求められます。
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無報酬でも申請できますか?
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いいえ。2号では、日本人と同等額以上の報酬を受けて活動することが法令上の要件です。したがって、無報酬や極端に低額な報酬では許可されません。