永住ビザ

永住ビザを取得した外国人は、国籍を変えずに安定的に日本国内で滞在できます。就労制限がないため自由な活動ができ、在留期間の制限もない非常に強力な在留資格です。在留資格という観点からは最終到達点でありますが、永住ビザを取得した後にも幾つか注意点があります。最悪の場合には永住権が喪失することもあります。

永住ビザ取得者の在留カード更新

永住者の在留期間は無期限ですが、在留カードの有効期限は7年間です。有効期間満了日の2カ月前から有効期間満了日までの間に更新申請が可能となります。原則、申請日当日に新しい在留カードを受け取ることができます。

永住者の場合、在留カードの期限が切れていても在留期間は無制限であるため、不法滞在者になるわけではありません。但し、罰則(1年以下の懲役又は20万円以下の罰金)があります。在留カードの更新は期間内に忘れずに行って下さい。

永住ビザを失う場合(永住権の取消)

以下のような場合には、永住ビザが失効となります。

1.永住者が再入国許可 、またはみなし再入国許可を得ずに日本を出国をした場合

再入国許可を得ずに日本から出国すると、保有している在留資格は消失します。1年以内に再入国する者はみなし再入国許可で在留資格を維持状態で再入国が可能です。みなし再入国許可は、出国の際に空港で行うことができます。「再入国出国用EDカード」の「みなし再入国許可による出国を希望する」欄に☑(チェック)を入れて審査官に提出するだけです。

2.永住者が再入国許可によって出国し、再入国許可期限までに再入国しなかった場合

日本を出国する前に「再入国許可」を受けていたとしても、再入国の期限までに日本に戻らなければ、永住権を失います。やむを得ない事情がある場合は日本大使館又は総領事館で延長できる場合があります。

3.永住者がみなし再入国許可出国し、期間内に再入国しなかった場合

日本を出国する前に「みなし再入国許可」を受けていたとしても、期限までに日本に戻らなければ、永住権を失います。永住者は1年間、特別永住者は2年間が出国後の再入国期限となります。みなし再入国の場合は延長は認められません。

4.住居地の届出を適切に行わなかった場合

外国人の住居地が変わった等の場合には、その旨を届出る義務が発生します。この義務を履行しない場合、永住ビザが取り消されることとなります。具体的には次のような場合です。

 ・90日以内に新住居地の届出をしないこと

 ・虚偽の住居地を届け出たこと

5.退去強制事由に該当した場合

以下のような場合、退去強制の対象となり、永住ビザが取り消されます。

・無期または1年を超える懲役もしくは禁錮に処せられた者

・薬物違反により有罪判決を受けた者

・売春に直接関係がある業務に従事する者

永住ビザ取得後の出身本国での保険制度適用

大きな病気を患ったり事故で大怪我をした場合において、日本ではなく言葉の分かる出身国で治療を受けたいと考えることがあるかもしれません。しかし、永住権を取得していると出身国での保険適用に制限が課される可能性があります。例えば、韓国では海外永住権保有韓国人は韓国入国後6か月間するまでは国民健康保険の再加入資格はありません。

このように永住権取得により出身本国での制限が付加されることがあるので注意が必要です。

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