外国の企業、政府機関、大学などから書類提出を求められる際にアポスティーユや領事認証の取得を要求されることがあります。このページでは普段の生活の中では聞きなれないアポスティーユや領事認証について説明します。
アポスティーユと領事認証
「アポスティーユ」と「領事認証」は、日本の官公署や地方自治体が発行する公文書が真正であることの証明のことです。例えば、英語で「Notarization」「Legalization」「Authentication」「Apostille」と書かれている場合には、これらの証明が必要となります。文書の提出国によって、「アポスティーユ」か「領事認証」かが異なります。証明が必要となるケースにおいて、ハーグ条約加盟国においては「アポスティーユ」、ハーグ条約非加盟国では「領事認証」が求められます。
ハーグ条約加盟国 | ハーグ条約非加盟国 |
アポスティーユ | 領事認証 |
原則としては、駐日領事による領事認証により当該国に提出する書類が真正であることが証明されます。しかし、領事認証手続きは非常に煩雑であることから、ハーグ条約(外国公文書の認証を不要とする条約)の加盟国では、領事認証に代わり、より簡便な手続きで取得が可能なアポスティーユでの認証が可能となっています。欧米諸国は殆どがハーグ条約に加盟しており、非加盟国はアジア・アフリカに多いです。外国公文書の認証を不要とする条約の加盟国は外務省HPをご参照ください。【>>ハーグ条約加盟国】
ハーグ条約の主な非加盟国
以下の国はハーグ条約に加盟していません。したがって、書類の証明にアポスティーユを利用できず、領事認証を取得する必要があります。
- 中華人民共和国(香港、マカオを除く)
- 台湾
- UAE
- イラン
- イラク
- カタール
- タイ王国
- ベトナム
- マレーシア
- ミャンマー
- ネパール
- ケニア
- ナイジェリア
認証取得手続
アポスティーユや領事認証の対象となる文書は「公文書」に対する証明になります。公文書とは、国や地方公共団体の機関等の職員が職務上作成した文書です。例えば、戸籍謄本や住民票などです。一方で、公文書以外の文書は全て私文書となります。私文書にアポスティーユや領事認証を得ることはできません。そのため、私文書に認証が必要な場合には、公証役場での公証人認証を得た後、法務局で公証人押印証明を受けた上で、外務省認証手続きに移行することになります。
外務省での認証手続きは、アポスティーユの場合にはアポスティーユ申請となり、領事認証の場合には公印確認となります。領事認証では、公印確認を得た後に駐日領事館等において領事認証手続き行います。
外務省認証の対象文書
外務省で認証できる書類は以下の1~3の全ての要件を満たす公文書となります。
- 発行日付が記載されていること(発行日より3か月以内のもの)
- 発行機関(発行者名)が記載されていること
- 個人印や署名ではなく、公印が押されていること
認証が可能な官公署発行書類
発行機関 | 書類の種類 | 公印確認 | アポスティーユ |
---|---|---|---|
国等の機関 | 登記簿謄本、犯罪経歴証明書、医薬品・農薬登録証明書、居住者証明書など | ○ | ○ |
地方自治体 | 戸籍謄本(抄本)、住民票、納税証明書 | ○ | ○ |
公証役場 | 公証人認証書(※私文書翻訳) | ○ | ○ |
特殊法人、独立行政法人 | 国公立大学の卒業証明書、成績証明書など | ○ | × |
財団法人、社団法人、公益法人 | 検定認定証など | × | × |
商工会議所 | 原産地証明書など | × | × |
※日本で発行された公文書の翻訳文に証明が必要な場合には、翻訳文を公証人証書とすることで公印確認やアポスティーユを取得することが可能となります。
認証が可能な教育機関発行書類
発行機関 | 公印確認 | アポスティーユ |
---|---|---|
国公立大学法人 | ○ | × |
私立大学法人 | ○ | × |
独立行政法人国立高等専門学校機構 | 〇 | × |
公立高等学校・中学校・小学校 | 〇 | 〇 |
私立高等学校・中学校・小学校 | 〇 | × |
私立専修学校、専門学校 | × | × |
発行機関 | 公印確認 | アポスティーユ |
---|---|---|
国公立病院、赤十字病院 | 〇 | 〇 |
独立行政法人国立病院機構 | 〇 | × |
国立大学法人大学附属病院など | 〇 | × |
私立大学附属病院、私立病院、医療法人病院 | × | × |
アポスティーユ及び領事認証の取得工程
【手続き上のポイント】
- 私文書では、公証役場での公証人認証と法務局での公証人証明の手続きが必要です。
- アポスティーユでは各国駐日領事館での手続きは不要で、外務省認証が利用できます。一方で、領事認証では外務省で公印確認を取得した後、各国駐日領事館での申請が必要となります。
工程名 | アポスティーユ | 領事認証 | ||
公文書 | 私文書 | 公文書 | 私文書 | |
公文書取得 私文書作成 | ① | ① | ① | ① |
公証役場での認証 (Notarization) | ー | ② | ー | ② |
法務局での証明 (Legalization) | ー | ③ | ー | ③ |
外務省への申請 | ② | ④ | ② (公印確認) | ④ (公印確認) |
外務省での受領 | 完了 | 完了 | ③ | ⑤ |
駐日領事館への申請 | - | - | ④ | ⑥ |
駐日領事館での受領 | - | - | 完了 | 完了 |
アポスティーユ・領事認証が求められるケース
就職する場合
外国の企業に就職する場合に求められる卒業証明書、成績証明書など。
永住権を取得する場合
外国の永住権を取得する際の戸籍謄本など。
国際結婚する場合
国際結婚をする際の戸籍謄本や婚姻要件具備証明書・独身証明書など。
大学に留学する場合
外国の大学に留学する際に提出する日本の高校の卒業証明書や成績証明書
現地法人を設立する場合
現地法人(会社)設立、駐在員事務所の開設、役員の任命時における履歴事項全部証明書
※注意点
国公立の学校の書類であれば公文書扱いとなり、直接アポスティーユの付与が可能です。しかし、私立学校や国立大学法人化した国公立大学の書類には、公証人認証及び公証人押印証明を得た上で、アポスティーユの付与が可能となります。
アポスティーユ・領事認証ワンストップサービス
アポスティーユや領事認証は、普段行くことのない公証役場・外務省・各国領事館などに何度も足を運ぶ必要のある面倒な作業です。弊所では、これらの面倒な申請手続をワンストップで対応します。また、日本語の各種証明書から韓国語への翻訳対応も受け付けております。【>>翻訳サービス】
お気軽にお問い合わせ下さい。
アポスティーユ取得代行費用
文書の種類 | 弊所手数料 | 公証役場手数料 | 合計金額 |
公文書 | 20,000円/1通 | - | 20,000円 |
私文書(日本語) | 20,000円/1通 | 5,500円/1通 | 25,500円 |
私文書(外国語) | 20,000円/1通 | 11,500円/1通 | 31,500円 |
領事認証取得代行費用
文書の種類 | 弊所手数料 | 各国大使館手数料 | 公証役場手数料 | 合計金額 |
公文書 | 30,000円/1通 | 別途見積 | ー | 30,000円 |
私文書(日本語) | 30,000円/1通 | 別途見積 | 5,500円/1通 | 35,500円 |
私文書(外国語) | 30,000円/1通 | 別途見積 | 11,500円/1通 | 41,500円 |
※海外へは別途国際郵便(EMS)の費用が掛かります。
国別の各種認証の説明
アポスティーユにすべきか領事認証にすべきかは、提出先の国によって異なります。詳細は国別の説明ページを参照ください。
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