同性パートナーの在留資格

同性パートナーが手をつなぐ写真

同性婚に関する判例

性の多様性について、日本でも理解が広まりつつあります。「同性カップルを婚姻に相当する関係と認め証明書を発行する制度」として同性パートナーシップ制度を導入する地方自治体も自治体が増えているのはその一例です。【>>Marrige for All Japan参照】更に、最近では大規模なパートナーシップ制度が導入され始めています。【>>同性パートナーシップ制度】

裁判でも同性婚を認めていない状態についての訴訟が提起され始めております。直近では2023年5月30日名古屋地裁で「同性婚を認めないのは憲法違反」とする趣旨では全国で2例目の違憲判決が下り、司法面でも同性結婚を認める判断が示され始めています。

しかし、立法面をみると民法・戸籍法の改正論議については遅々として進んでいません。憲法24条の解釈について、意見が対立しているのがその理由の一つです。

第二十四条 婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。

日本国憲法

この憲法24条1項中の『両性』の解釈が一つの争点になっています。「男性と女性」の両性を意味するという解釈が従来の解釈で、この従来解釈に基づき同性婚が不受理となっています。これに対し、2021年3月17日札幌地裁で初めて違憲判決が示され、2023年5月30日名古屋地裁判決が2例目の違憲判決が下されました。

同性パートナーに関わる法律

前述の通り、司法面では同性婚を認めないことを違憲とする判例が出始めています。大きな一歩を踏み出しているのは間違いありません。しかし、婚姻に関する民法や戸籍法改正の方向性については具体的な道筋が見えていないのが現状です。

同性婚については、前述の民法・戸籍法以外に入管法も大きく関係する問題です。世界に目を向けると2022年10月時点で33の国・地域で同性婚が認められています。この33の国・地域で同性婚をしたカップルが日本に入国しようとした場合、日本の民法では同性婚が認められていないので、男女の夫婦で認められる「家族滞在」の在留資格は認められないこととなります。

ここでは、外国人の同性婚夫婦が、日本で共に生活する上での在留資格について検討したいと思います。

同性パートナーがそれぞれ単独で在留資格を取得する

就労ビザの取得

同性パートナーがそれぞれ単独で日本在留のため、就労系の在留資格を取得する方法が考えられます。具体的には、

  • 技術・人文知識・国際業務
  • 経営・管理
  • 特定技能
  • 教育

などの在留資格を取得するパターンが考えられます。

留学ビザの取得

専門学校、大学や大学院などに入学して留学ビザを取得することが考えられます。日本語学校への留学であればN5レベルの日本語を習得すれば入学が可能です。日本での生活をする上で言葉は必要となりますので、一つの選択肢にはなると思います。

告示外の特定活動

外国人同士の同性婚では、この「告示外の特定活動」が認められている例もあります。ただし、日本国は同性婚を法的には認めてはいません。したがって、海外で同性婚をしていれば必ず「告示外の特定活動」が認められるわけでは点に注意が必要です。現状では、法務大臣の裁量で認められた事例となります。

お気軽にお問い合わせください。090-9304-3298受付時間 9:00-20:00 〔土日・祝日OK〕

お問い合わせ お気軽にお問い合わせ下さい

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です